蔵書整理のお手伝いをしました

このところ、軽井沢では気温が30℃を超える日が何日も続きました。それでも都会に比べれば過ごしやすいのでしょうが、毎年毎年以前にも増して、昔の冷涼な夏を恋しく思うようになりました。森のリスたちもこの暑さには戸惑っているのではないでしょうか。

月最後の木曜日は、軽井沢図書館の蔵書整理の日です。図書館友の会では毎月そのお手伝いをしています。1ヶ月間の貸し出しで、元の場所に帰れなかった本たちを探し出して、ルールに沿って並べられた本棚に戻していく作業です。

慣れないとなかなか大変な仕事ですが、普段覗かない本棚の整理を担当すると、そこには思いがけない出会いがあったりするのです。あ、こういう本、読んでみたいなあ、と。

今日はお二人に「出会った本」を紹介していただきます。

友の会顧問のK山さんは、まさにご自分の人生を辿っているであろう本が本棚で彼女を待っていたようです。

『女性官僚という生き方』村木厚子著

海の向こうではもしかすると女性の大統領誕生かと大騒ぎですが、女性の政界の中枢への進出はポピュラーではない日本で、女性官僚は何と戦い、何を勝ち得、どんな人生を送ってきたのでしょうか。一般人にはなかなか垣間見ることのできない事実と思いが詰まっているような気がします。

染色織物作家のT野さんは、これまたご自分の生き方にフィットする芯の強い女性の記録を見つけました。

『女書生』鶴見和子著

国際的社会学者の目に映った戦後50年と戦争に向かい合った彼女の思想は、今またあちこちで戦争が繰り返される現代の日々を静かに力強く紡いでいるT野さんの心を、本棚の中から一発で射抜いたのでしょう。

今回は図らずも女性の生き方、また友の会会員お二人の芯の強い人生とシンクロするような本が揃ったように思いますが、考えてみれば、本とは、どんな本であっても、それが人間の思考や生き方に根ざした表現方法である限り、読む人の人生の歩調に同調していくものなのかも知れません。

図書館友の会は、毎月の蔵書整理やさまざまな図書館の活動のお手伝いをしているボランティアグループです。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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